2012年8月21日更新 著者 出川 雄一(障がい者就労研究家)



高次脳機能障害とは何ですか?

2008年に公開された、”ガチボーイ” という映画があります。
主人公の五十嵐さんはプロレス研究会に入部するのですが、プロレス特有のお約束を無視し、ガチンコで試合をしてしまうのです。


実はこの主人公!
過去に頭を強く打ち、高次脳機能障害を背負って生きていたのです。


寝てしまうと、その日に学んだ記憶が消えてしまいますが、体は自然と覚えているのではないか? と考え、一生懸命プロレスの練習に励むというお話です。

高次脳機能障害とは


人間の脳は他の動物と違い、ものすごい繊細にできています。この人間の脳の機能を、「高次脳機能」といい、この機能に障害をきたしているので、高次脳機能障害と名づけられています。


交通事故や脳卒中などで脳が損傷してしまい・・・


「記憶障害」・「集中力の低下」・「怒りっぽくなる」・「計算ができない」・「うまくしゃべれない」・「我慢できない」 などの症状が表れます。


ボクシングの場合、頭を強く殴られますので、ボクサーの中には高次脳機能障害(パンチドランカー)で悩まされている人も存在します。


この症状!基本的に損傷している脳の場所で症状が異なります。



前頭葉の損傷
大脳半球の中心を左右に走る前方の領域です。
この場所は「感情」・「注意」・「思考」に影響を与えますので、急に怒りっぽくなってしまったら、前頭葉の損傷が考えられます。


側頭葉の損傷
「聴覚」・「言語」・「記憶」に影響を与えますので、新しいことを覚えられなくなった場合、側頭葉の損傷が考えれます。


頭頂葉
「認知」(例えばはさみは何に使うのか?を認識する力)・「判断」・「皮膚感覚」・「味覚」などに影響を与えます。


このように、高次脳機能障害とは
脳の損傷により様々な機能が低下するのです。


事例
職場のA君がセクハラをしてしまった。
話を聞くと、過去に脳卒中を起こしているではないか・・・ ← 身近に存在するほんの一例です。 本能(感情)をコントロールできなかったのが原因だと考えられます。


高次脳機能障害
是非とも、頭の片隅に入れておいて損はないかと思います。 出川 雄一 (福祉ジャーナリスト / 障がい者就労研究家)


    


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