2012年9月4日更新 著者 出川 雄一(障がい者就労研究家)



自閉症の原因って何ですか?

前回、自閉症とは何ですか? というテーマでレポートを書きました。 → 福祉情報17参照  今回はこの続きです。


"自閉症" というネーミングなので、
心を閉ざしてしまう病気だと思われがちですが、心の病気ではない事が通説となっています。過去においては、心の病気だとされていた時代もあり、世間からバッシングを受けてしまう親御さんも存在しました。


自閉症の原因は、
現代の医学を用いても未だに解明されていません。 しかし、脳の機能になんらかの異常があるものではないか?


つまり、先天的な脳機能による障害だと考えられています。


説の一つとして、
1990年代に発見された、”ミラーニューロン” と呼ばれる脳神経細胞が関係しているのではないか?と考えられています。


ミラーニューロンとは・・・
「ミラー」 = 鏡    「ニューロン」 = 神経細胞


他人の行動を自分の脳に映し出す神経細胞の事です。


例えば、
A君が梅干を食べていました。
この光景をみていたB君は梅干を食べていないのに唾液がいっぱい出てきました。


梅干を食べている光景が、B君のミラーニューロン(脳神経細胞)に映し出された為に、唾液が出てしまったのです! アクビが移る原理も、ミラーニューロンが働いているとされています。


自閉症の特徴である、
「共感の欠如」・「言語障害」・「模倣が上手く出来ない」 などは、ミラーニューロンが損傷しているために、このような症状が出ているとのではないか? と唱える学者さんが存在しています。


また、米国の研究によると、
年をとった父親の子供ほど、自閉症率が高くなっている統計に注目をしています。40歳以上の父親の子供は、30歳未満の父親の子供より、自閉症率が約6倍ほど高いのだそうです。


加齢による精子の変異が影響を与えているのではないか? このように唱える学者さんも存在していますが、どちらも明らかになっていないのが実情です。


次のレポートでは、
1990年代に提唱された概念、「自閉症スペクトラム」について調べてみましたのでご覧ください。 出川 雄一 (福祉ジャーナリスト / 障がい者就労研究家)


    


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