2012年9月9日更新 著者 出川 雄一(障がい者就労研究家)



サヴァン症候群!驚異的な能力を発揮できるのは何故ですか?

前回、サヴァン症候群とは何ですか? → 福祉情報21 についてレポートを書きました。自閉症などの発達障害があるものの、ある分野に対して驚異的な能力が備わっている症状です。


一桁の足し算すらできないのに、円周率を20000桁以上覚えている人。楽譜が読めないのに、メロディを聴いただけでピアノを弾けてしまう人。


などがこれにあたります。


どうして、こんな能力が備わってしまったのでしょうか?残念ながら、サヴァン症候群の原因は未だに解明されていません。


一説によると、脳機能の一部に障害があり、その部分を補おうとするために、脳の性質が変形してしまったのではないか? とする説。


また、自閉症の特徴である認知障害が発展したのではないか? ← このように考える説も存在します。 


認知とは、「理解する」 という意味です。


五感で得た情報は脳に伝わります → これを脳で加工し、それを処理する一連の流れが発生します。 認知障害とは、この一連の流れになんらかの障害が存在し、理解力の差異が発生してしまう障害です。


この認知が他者と異なる事により、
特殊な能力が備わっているのではないか? このように唱える専門家も存在します。


現在、サヴァン症候群を研究している人もいるようで、様々な事実が判明しています。


例えば、レインマンのモデルとなったキム・ピークさん。彼の脳を研究すると、面白い事がわかりました。


人間の脳は必要のないものをふるい落とす性質があるようです。
しかし、キム・ピークさんの脳はふるい落とすフィルターが存在していないために、抵抗なく覚えてしまうそうです。


また、ヘリコプターに一回乗っただけで、その町の風景を立体的に表現した天才少年。やはり、彼も経験や先入観という概念が存在しないために、成し得る技だとされています。


テンプル・グランデンさんは、動物の気持ちが理解できる女性です。 しかし、人間の言葉を覚えるのに時間がかかったそうで、フィルターが存在しないために、動物の思いを理解できたものと考えられます。


ちなみに、彼女は自分の能力を活かし、非虐待的な家畜施設の設計者として活躍しています。 出川 雄一 (福祉ジャーナリスト / 障がい者就労研究家)


    


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