2012年9月16日更新 著者 出川 雄一(障がい者就労研究家) |
三歳までに五感を刺激 → 15%ほどの知的障がい児が普通学級に?
名の知られていない数多くの偉人たち! そのような人物を掘り起こす事で、様々なしあわせの本質が見えてくるのではないでしょうか?
そこで、今回は昇地三郎(しょうちさぶろう)さんについて調べてみました。(1906 -
) 昇地さんは知的障がい児施設 ”しいのみ学園” の創設者として知られています。(1954年)
昇地さんは小学校の教員をしていました。 そして、彼が理想としている教育者こそが、この記事のポイントになるスイスの教育家、ペスタロッチ(1746
-
1827)という人物です。
ペスタロッチさんの教育法 『教育とは直観を教える事が大切なんだ。直観とは直に観る事だ。例えばレモンがあるとしよう。レモンとは、「黄色くて」・「すっぱくて」・「ラグビーボールのような形」 ←このように教えるのではなく、直接見せてあげる事が大切なんだ』 と説いています。(ひらめきの直感ではありません)
ぺスタロッチさん 『人間は生まれた時から直観を持っている。この直観こそが人間の五感に刺激を与え、うちに秘めている素質を引き出す事ができるんだ! しかし、近代文明になってからおかしくなってしまった。文明が進歩するにつれ、五感をせばめてしまい、これが虚偽と愚鈍へと堕落させているのだ』
これがペスタロッチさんが主張する教育論です。
昇地さんは、このような理論を自身が運営する知的障がい児施設に取り入れました。そして、脳神経細胞が発達する2歳~3歳までをターゲットに、五感に刺激を与える教育法を実践した人物として知られています。(五感に刺激を与える教具などを開発)
昇地さんの言葉① 「2才~3才の時にお預かりすれば、知的な障害をお持ちのお子さんでも、一年後には、一クラス10~12人の中で2~4人のお子さんが、普通の幼稚園や保育園に行ってもついていけるまでに成長・変化する」
とおっしゃっています。
昇地さんの言葉② 「幼児が外界を認知していくためには、感覚的経験を通すことが必要である。感覚には味覚・臭覚・触覚・視覚・聴覚の五感があるが、その中でも触覚・視覚・聴覚は知的な発達に関係深いものである。子どもに刺激物を与え、触る・見る・聴く経験を豊富にさせることで外界を認知していくのである。」
経験を教えるのではなく、 直接的に体験させる事の重要性を主張しています。
障害が、”ある” ”なし” に関わらず、 〇 二歳から三歳までの環境が、子供の成長に影響を与え、 〇 五感に刺激を与える事で、その子供の才能が引き出される。
これが人間に備わった本質なのかもしれません。 出川 雄一 (福祉ジャーナリスト / 障がい者就労研究家)
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