2012年9月29日更新 著者 出川 雄一(障がい者就労研究家)



日本で盲導犬が不足しているのは何故?

盲導犬の数 人口
アメリカ 8,000頭以上 約3億人
イギリス 5,000頭 約6100万人
ドイツ 1,500頭 ~ 2,000頭 約8100万人
フランス 1,500頭 約6500万人
日本 965頭 約1億2000万人
スペイン 562頭 約4600万人
オーストラリア 500頭 約2100万人
オランダ 500頭 約1600万人
ベルギー 350頭~400頭 約1000万人
資料の一部は2006年発行のduet15号から引用


日本における盲導犬不足は深刻です。


一億二千万人が暮らしている日本!
しかし、盲導犬は1000頭程しか活躍しておらず、
人口比で見た場合、明らかに少ない事がわかります。


Q,アメリカなどと比べ、盲導犬が少ないのは何故ですか?

A、経済的な理由もありますが、それ以上に繁殖犬の数が少ない事がネックとなっています。


実は盲導犬の候補となる犬は・・・
オスは生後半年後に去勢され、
メスは生後8ヶ月~11ヶ月に不妊手術を受けるのです。


優秀な盲導犬だとわかったとしても、
その犬を繁殖に活かすことができないのです。


この問題を遺伝子レベルで解決しよう!とする動きも見られます。

2004年、文部科学省は盲導犬育成に関する企画を立ち上げました。メス犬の卵巣を凍結保存し、優秀な犬だと判断された場合、卵巣を元に戻し繁殖犬に移植せよう!というプロジェクトです。


一方、盲導犬の先進国であるアメリカやイギリス!
ラブラドールの原産地が欧米という事もあり、数多くの繁殖犬を抱えています。、10頭訓練すれば7頭もの盲導犬が誕生するともいわれています。


10頭訓練しても、3頭しか盲導犬として活躍できない日本。


盲導犬が必要とされる能力は、「健康」・「集中力」・「注意力」・「記憶力」・「人を愛しているか」・「臆病ではないか?」・「落ち着きがあるか?」などが大切だとされています。


欧米には、これらの能力備える繁殖犬がたくさんいるために、効率よく生産する事ができるのです。 出川 雄一 (福祉ジャーナリスト / 障がい者就労研究家)


    


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