2012年11月19日更新 著者 出川 雄一(障がい者就労研究家)



過食嘔吐!その原因とその対処方法

過食嘔吐の本質について追求しています。 → 過食嘔吐、指にタコができるのは何故ですか?   今回は、どうして過食嘔吐を繰り返してしまうのだろうか? その原因について調べてみました。 


実は未だに過食嘔吐の原因が解明されていないため、明確な答えがわかっていないようです。 しかし、過食嘔吐を繰り返している人の気持ちなどを調べてみると、その原因の一つがストレスから来ている事が伺えます。


〇仕事でのストレス
〇学校や職場の人間関係におけるストレス
〇家庭内での問題
〇恋愛関係(DVなど)
〇一人暮らし

などなどです。


画像は情報処理推進機構から引用


一方、「低血糖状態」や「ストレス」が溜まると、脳(視床下部)が刺激を受け、副腎皮質からコルチゾールと呼ばれるホルモンが分泌されます。


このコルチゾール!
血糖値を上昇させたり、ストレスを緩和させる役割があるのですが、同時に満腹感を遅らせてしまう副作用があるのです。 


ポイント
コルチゾールの分泌が
多ければ多いほど満足感が得られない・・・


過食嘔吐を繰り返す人は
ストレス → コルチゾールの分泌 → 満腹感が得られない → 過食 → 嘔吐 → 罪悪感 → ストレス


このメカニズム(悪循環)で成り立っているものと考えられます。


また、人間の体は糖分や脂肪分を多く摂取すると、ストレスホルモンが低下するようにできています。 このストレスを解消させる為にコルチゾールを分泌させ、満腹感を遅らせているものと考えられています。


つまり、ダイエットはあくまでもきっかけであって、根っこに存在するストレスが解消されない限り、過食嘔吐が繰り返されるのではないでしょうか?


しかし、この現代社会。
ストレスを見つけたり、解決するのに一苦労です。


例えば、潜在的に存在する、幼少期に受けた母親からの虐待。異常なまでの躾(しつけ) 親から受けた中傷による劣等感 などなど。 何かしらの出来事が無意識のうちにストレスになり、日常生活に支障をきたしていることも考えられます。


つまり、ストレスの原因に気がついていないケースもあるのです。


東日本大震災の際、ストレスが原因でウツ病を発症させる人が増えてしまいました。このストレスを解消させる手段の一つに、この出来事を忘れるのではなく、あえて受け止める事で回復に向かわせる手法(カウンセリング)が行われました。


過食嘔吐で悩んでいる方がいた場合、
周りのサポートとして、お話をよく聞いてあげたり、潜在的に眠っている意識を引き出す質問をしたりして、根底に存在する要因を引き出してあげる事が大切になってくるかと思います。


また、過食嘔吐で罪悪感が増し、これがストレスとなって再び過食嘔吐を繰り返す・・・ そんな負の循環も存在します。


「私は太っても構わない。太ってもいいんだ」
太る事を受け入れる心も大切になってくるかと思います。



A子さんの事例
劣等感の強いA子さん。コンプレックスの塊でした。
「この体を維持したい。 しかし、ストレスの影響なのか? 過食嘔吐を繰り返す・・・」


彼女に質問を繰り返してみると、唯一褒められる事がありました。 それは細身だった体です。 依存体質のA子さん!自分の体系を褒めてくれた事が嬉しかったようで、これが過激なダイエットに発展し、過食嘔吐を繰り返していたのです。


褒める行為は時として相手を追い込んでしまうのですね。


本質論で考えた場合、劣等感は自己に対する存在への不信感からきていますので、A子さんの特性である心の優しさを活かした仕事を提案してみました。すると、以前からホームヘルパーの資格を取りたい願望があったことがわかりました。


専門分野の知識を極める → A子さんが社会で受け入れられる → 自己否定の解消 → 劣等感の解消 → 過食嘔吐の解消


時間がかかると思いますが、希望を胸にゆっくりと回復してもらえれば幸いですm(__)m 出川 雄一 (福祉ジャーナリスト / 障がい者就労研究家)


    


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