2013年12月22日更新 著者 出川 雄一(障がい者就労研究家)              このエントリーをはてなブックマークに追加  




自傷行為が起きてしまう6つの感情とは?



北海道浦河町に存在する、「べてるの家」をご存知でしょうか?
統合失調症など、精神障害を抱える当事者の方(100人以上)が集まって、お仕事など様々な活動を行っている施設です。


この施設がヨーロッパなどで注目を集めているのは、精神障害を抱える当事者が、自らの症状を分析し、自らが解決しようとする取り組みを行っている点です。これを当事者研究といい、世界で例を見ない全く斬新な活動に取り組んでいる事で、注目を集めるようになりました。


一方、自傷行為とは自らの体を意識的・無意識的に傷つける事をいいます。


べてるの家でも、自殺の衝動に駆られたり、自傷行為をしている人がたくさんいたそうで、その都度、利用者の方に報告書を提出させていたそうです。その報告書を徹底的に分析すると・・・


「悩む」・「疲れる」・「暇」・「さみしい」・「お金がない」・「お腹がすく」


「こういう感情に駆られた時、自殺の衝動や自傷行為をしている事に気が付くのです。


べてるの家では、
上記の感情に駆られない!そんな処置がとられています。


例えば、働く時間を利用者本人に決めてもらっている点です。「今日は体調が悪いので○時間働きます」と、本人の意思で働く時間を決める事ができるのです。お腹が空かないような仕組み、さみしくならないような仕組みも整っています。


これを徹底する事で、自傷行為を減らすことができたそうです。


べてるの家では、「悩む」・「疲れる」・「暇」・「さみしい」・「お金がない」・「お腹がすく」の頭文字をとり、「なつひさお」という人形を常に携帯しています。自分自身がこの状態に陥っていないか?常に確認するためです。


もし、友達や身内の方で自傷行為をしている方がいましたら、「悩む」・「疲れる」・「暇」・「さみしい」・「お金がない」・「お腹がすく」 ここを少しでも満たしてあげる事がポイントになるかと思います。


また、障害者雇用促進法が改正され、2018年度から精神障がい者の方の雇用義務が生じるようになりました。精神障がい者の方の雇用する際、特に疲れさせない体制を整える事がポイントになるかと思います。


少しでも理解が深まれば嬉しいです。 出川 雄一 (福祉ジャーナリスト / 障がい者就労研究家)


    


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