2014年1月2日更新 著者 出川 雄一(障がい者就労研究家)              このエントリーをはてなブックマークに追加  




網膜色素変性症の原因って何ですか?

前回、網膜色素変性症とは何だろう?についてレポートを書かせて頂きました。もし、「視野が狭くなった。」 ・ 「暗い場所が見えにくくなった。」というお友達がいましたら、網膜色素変性症を疑ってあげてください。


ところで、網膜色素変性症になってしまうのは何故だろう(・_・?) そんな疑問を抱きましたので簡単に調べてみました。


網膜色素変性症は、網膜を構成している視細胞が侵されてしまう事により、「視野」・「色覚」・「視力」などが低下する病気です。


どうして視細胞が弱ってしまうのか・・・
残念ながら、その原因はわかっていませんが、遺伝性の病気だと考えられているようです。確認されている遺伝子は、わずかに40ほどに過ぎず、網膜色素変性症を患っているほとんどの方が、原因となる遺伝子が見つかっていないのが実情です。


この網膜色素変性症の遺伝について調べてみると、様々なタイプが存在していました。 今回は二つの遺伝タイプについて調べてみました。


○常染色体優性遺伝



A = 正常な遺伝子
a  = 網膜に悪さをする遺伝子(優性遺伝)


ちなみに、常染色体とは性染色体以外の染色体をいいます。 
また、染色体とはDNAが入った長い糸状のものをいいます。このDNAの中に遺伝情報が入っています。


「AA」の人と「Aa」の人が結ばれた場合、「AA]・「Aa」・「AA」・「Aa」の四通りの確率で子供が生まれる事になります。


一方、「a」は優性遺伝ですので、この「a」が入った時点で網膜色素変性症の発病者にってしまいます。


常染色体優性遺伝の場合、
AA = 網膜色素変性症になりません。
Aa  = 網膜色素変性症に


よってこの場合、両親のどちらかが網膜色素変性症の優性遺伝を持っていると、二分の一の確率で子供が発症する事が考えられているのです。(あくまでも理論上の数字です)


○常染色体劣性遺伝



A = 正常な遺伝子
a  = 網膜に悪さをする遺伝子(劣性遺伝)


常染色体劣性遺伝は、「a」が劣性遺伝の場合です。よって、「Aa」の子供の場合は正常な遺伝子である「A」の影響をうけますので、発症する事はありません。


AA = 網膜色素変性症になりません。
Aa  = 網膜色素変性症になりませんが保因者になります。
aa  = 網膜色素変性症に・・・


このケース!両親が保因者の場合、25パーセントの確率で網膜色素変性症になるというわけです。


網膜色素変性症の根本的な治療方法は現在のところ存在していません。しかし、5年後に人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った臨床研究を開始する方向で調整が進められているようです。iPS細胞から作られた視細胞を、網膜に移植する事で、その症状を抑えるのが狙いのです。



「いつ視力が完全になくなるか・・・」
点字名刺のお仕事で働いている網膜色素変性症の方も、そのような不安を常に感じながら生きているとおっしゃっておりました。 


道でお困りの視覚障がい者の方がいらっしゃいましたら、お声をかけて頂ければ幸いでございます。 出川 雄一 (福祉ジャーナリスト / 障がい者就労研究家)


    


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