2014年2月9日更新 著者 出川 雄一(障がい者就労研究家)              このエントリーをはてなブックマークに追加  




盲人観劇!遠藤貞男さんってどんな人?

前回、視覚障がい者!お芝居を観る人が多い理由 というテーマでレポートを書かせて頂きました。


ヘレンケラー・サリバン賞とは、視覚障がい者を支援している晴眼者(視覚に障害がない人)に対して送られる賞(1993年に創設)で、7回目(1999年)に受賞された人物こそが、盲人観劇を主導した遠藤貞男さん(1922 ー 2008)という方でした。


この遠藤さん。日本銀行に勤めていた頃、演劇が大好きで、よくお芝居をみていたそうです。あまりにも好きだったために、日銀で演劇部を作ってしまい、演出なども手掛けていたそうですよ(ノ^-^)ノ


また、働きながらボランティア活動も積極的に行っており、1959年には録音図書の朗読奉仕者として。その後、視覚障がい者を前にした対面朗読などを行っていたのです。


ここで転機が訪れます。
対面朗読が終わり、いつものように雑談をしていると・・・


中途視覚障がい者
「目が見えていた頃のように、またお芝居を観たいなぁ」


遠藤さんは考えます。
「自分の大好きなお芝居。そして、関わっている視覚障がい者の方の願い。ひょっとして、自分の使命は視覚障がい者の方が演劇を観るお手伝いをする事なのではないだろうか」


こうして、遠藤さんは観劇会を企画するのです。
この観劇会に協力したのが劇団民藝さんなどで、1976年9月3日に初日を迎えた奇蹟の人は3日間で600人もの視覚障がい者、ろうあ者が集まったのだそうです。


点字名刺のご注文を頂いた劇団民劇さん。
「当劇団は1976年以来、盲人観劇に取り組んでおります」と書かれていましたが、ヘレンケラーとサリバン先生を描く、奇蹟の人の事だったんですね(。・_・。)ノ


盲導犬を連れたご婦人
「サリバン先生~ 負けないで~」 と思わず叫んでしまったそうです(^^)それだけ、お芝居に入り込んでいたのでしょう☆ 


劇団民劇の創設者である宇野重吉さんは、「芝居の7割から8割がセリフ」とおっしゃっていたそうです。だから、テレビや映画と違い、お芝居は目の見えない視覚障がい者の方でも理解しやすい娯楽なのですね。


延べ1万8,000名(同伴者も含む)にも及ぶ視覚障がい者の皆様を、演劇観賞の世界へ導いた遠藤さん。 使命感をもって行動する事の大切さを勉強させて頂きましたm(__)m  出川 雄一 (福祉ジャーナリスト / 障がい者就労研究家)



参考資料
月刊民藝の仲間1976年10月
月刊民藝の仲間1995年 9月

資料提供
劇団民藝公式ウェブサイト  (ありがとうございました)


    


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