2014年6月16日更新 著者 出川 雄一(障がい者就労研究家)            




今さらですが、iPS細胞とは何ですか?(網膜色素変性症が治るの?)

2014年6月14日、NHKのニュースの中で網膜色素変性症に関する報道がありました。慶応大学の研究チームが、網膜色素変性症の患者から作り出したiPS細胞で、病気の原因となる遺伝子の1つを突き止めた!というものです。


この研究によると、ロドプシンという遺伝子が変化していたようで、「網膜色素変性症が発症する前、この変化を食い止める薬を飲むことにより、症状の予防につながるのではないか?」 このような結論を導き出しておりました。


ムムッ!? ヾ(◎□◎)-┐ iPS細胞だって? そもそもiPS細胞って何だろう?どうして「i」が小文字なの? よ~し 今日も調べるよ~о(´▽`)о


解りやすく簡単に♪


2012年、ノーベル医学、生理学賞を受賞したのが山中伸弥教授と、イギリスのジョン・ガードン博士(1933 - )です。 このガードンさん。受賞する前、周りの学者から冷ややかな眼差しが注がれていた人物です。


受精卵が細胞分裂を繰り返される事により、様々な組織が作られます。


このガードンさん、「成熟した細胞を初期化する事が出来るんだ!」と唱えた人物だったのです。初期化とは、細胞の時間を巻き戻すこと。 つまり、「成熟した細胞を、受精卵のような状態に戻すことができるのだ」といった人物です。周りの学者は、「本当かいなぁ~?」と思っていました。


しかし、ジョン・ガードンの研究を証明した人物が現れます。
それが、山中教授だったのです。


山中教授は、皮膚の細胞に4つの遺伝子を組み込ませることで初期化する事に成功させました。つまり、細胞が分化していない状態のものを作り出すことができたのです。これがiPS細胞です。


例えば網膜色素変性症。
これは、網膜に存在する視細胞が失われるために視野が狭くなったり、視力が低下する障害です。視細胞が光をキャッチするので、それが失われることにより様々な弊害がでてきます。 → 視野が狭くなってしまった!網膜色素変性症とは何ですか?


受精卵が細胞分裂を繰り返すように、iPS細胞を分裂させる事で視細胞を形成させ、それを移植させる事で視力などが回復できるのではないだろうか?このように考えられているのです。


白血病などの血液難病。他者の骨髄を移植する事によりそれを治癒させていますので、副作用のリスクが伴います。 しかし、iPS細胞は、患者自身の細胞などを使ってそれを作り出すことになりますので、副作用がないとされています。


iPS細胞を使って、網膜色素変性症が治るのではないか?このように考えられているのですね♪


ちなみに、iPS細胞は、「Induced pluripotent stem cells」の略。 
日本語に訳すと、「人工多能性幹細胞」となります。


なんと、「i」が小文字なのは、iPodが関係していました。
iPodのように、iSP細胞が世間ですぐに普及してほしい。そんな願いを込めて「i」を小文字にしたのです。


最初、アルファベット二文字を使い、そのネーミングにしたかったそうです。しかし、二文字ですと、すでに使われているものが多く、マッチしたものが見つかりません。そこで、三つのアルファベット(iPS)を用いて、その名前としたのです。


へ~ そうだったのかぁ(^ー^ )/ 出川 雄一 (福祉ジャーナリスト / 障がい者就労研究家)



    


福祉情報168へ 点字の石碑が存在するって本当ですか?