著者 安田泰淳(雑学研究家)



格差を是正!経済学者のゲゼルが唱えたスタンプ貨幣とは?

世の中は格差社会だといわれています。
そこで今回はこの格差に対して経済学を用いて是正できるのではないか?そんな経済学者が存在しましたのでご紹介いたします。


シルビオ・ゲゼル(1862 - 1930)はドイツの経済学者です。


20世紀で最も経済に貢献したとされるケインズは・・・
「将来の経済学は、マルクスよりもゲゼルからより多くを学ぶであろう」と言わしめたほどの人物です。


そんなゲゼルさん!


彼はお金の価値に疑問を抱いていました。
「物は時間とともに価値が減少するのに、お金の価値が基本的に減少しない!しかも、金利まで付いているので、お金持ちは働かなくても生活ができちゃうではないか・・・」


一方、借金をしている人の立場で考えてみると
「お金を借りれば借りるほど、金利を払うためだけに働く事になってしまい、これが格差の拡大につながっているのだ!」と唱えるのです。


ゲゼルは考えます。
「物と同様に、お金の価値も時間とともに減少すれば良いのではないか。そうすれば、資産家はお金を使い、景気もよくなるはずだ」


そこで、スタンプ貨幣という仕組みを考えるのです。
例えば、1万円の貨幣は1年後に9900円になってしまう!簡単にいうとそんな理論です。 この事例でいうと、ゲゼルは一年後に100円分のスタンプを購入しないと、1万円が使えないようにすればいい。 と唱えました。


ゲゼルが考えたこのようなお金を自由貨幣といいます。


かなり手間がかかるので、現実的に不可能だとされていましたが、電子マネーの普及に伴い、自由貨幣を導入しやすい環境が整ってきたのではないか?と訴える専門家も存在します。


2003年、ドイツのバイエルン州ではキームガウアーという地域通貨を発行しました。この通貨のルールは、三ヶ月経過するたびに価値の2パーセント分のスタンプを購入しなければならない制度です。


果たして自由貨幣は世界に広がりを見せるのか?
注目してみたいところです。 (雑学研究家 安田 泰淳)


    







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