著者 安田泰淳(雑学研究家)



ノーベル経済学賞の賞金にのみ課税が・・・ いったい何故?

日本人がノーベル賞を受賞した場合、
その賞金は非課税となりますので税金を支払わなくても良い事になっています。


しかし、ノーベル経済学賞に関してのみ、
税金を支払わなければならない事になっています。


いったい何故だろう?


昔むかし、スウェーデンにアルフレッド・ノーベル(1833ー1896)という人物が住んでいました。ノーベルさんは17歳の時、世界七カ国を旅行し、様々な科学の知識を身につけました。


その後、友達の作った爆薬に注目するのです。


当時から爆破するためのアイテムは存在していましたが、持ち運ぶとすぐに爆発してしまう代物で、使い勝手が良くありません。


そこで、ノーベルさんは爆薬の一つである「ニトログリセリン」を使い、持ち運んでも爆発しない「ダイナマイト」と呼ばれるものを作るのです。ダイナマイトは工事現場などで使われ、効率のよいアイテムとして次第に普及していきました。


しかし、軍事アイテムとして使われてしまい、戦争で多くの犠牲者を出してしまうのです。ノーベルさんはダイナマイトを作った事を後悔します。そこで、ノーベルさんは亡くなる前に懺悔の意味をこめて遺書を残すのです。


遺書
『ダイナマイトで稼いだお金を銀行に預けてほしい。そうしたら利息がつくだろ?毎年社会に貢献した人に対し、この利息を与えて欲しいんだ。そうだなぁ~。利息を5等分に分けてくれ!「物理学」・「化学」・「文学」・「医学・生理学」・「平和」の五つだ!この分野で貢献した人に利息を渡して欲しいんだ』


あれれ! 
この中に「経済」がないではないか・・・


そうなのです!
ノーベルの遺書の中には「経済」という分野は含まれていなかったのです。


ノーベル賞が始まったのは1901年。
そして、ノーベル経済学賞が始まったのは1969年です。


1968年、スウェーデン国立銀行は300周年を迎え、ノーベル財団に対してあるお願いをするのです。


「300周年を記念してノーベル経済学賞を作りたい。賞金はスウェーデン国立銀行が出しますので、授賞式などを一緒に行ってもいいでしょうか?」


よって、ノーベル経済学賞の正式名称は「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞」となります。


湯川秀樹さんがノーベル物理学賞を受賞した時、


国民の声
「ノーベル賞の賞金を課税するのはおかしいではないか!」 

そこで、1949年に所得税法を改正し、ノーベル財団の賞金は非課税でOKです!となったのです。


その後、ノーベル経済学賞が誕生!
この賞金はスウェーデン国立銀行が出す事になっているので、今の法律を改正しない限り、課税対象となってしまうのです(T-T)


更新日現在、日本人の受賞者はまだいません。 (雑学研究家 安田 泰淳)


    







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