著者 安田泰淳(雑学研究家)



「アデランス」と「アートネイチャー」、過去に裁判で争われていた

前回、アデランスの名前の由来について調べてみました。 そうなんです。アデランスとアートネイチャーの創業者は同僚だったのです。


その後、この両者は骨肉の争いを繰り広げる事となるのです。


カツラを固定するための金具です。
当時のカツラの仕組みは元々生えている髪の毛にカツラピンでとめて固定するものでした。


この特許をもっていたのがアデランスです。
しかし、アートネイチャーはこの仕組みを使ってカツラを提供していたので、両社が裁判で争う事になるのです。


その後、両社は和解します。


アデランス 
「今後、カツラピンの特許を侵害しなければ和解します」


アートネイチャー 
「了解しました」


しかし、アートネイチャーはカツラピンの仕組みを使って再びカツラの製造をしたとして、アデランスは違約金の請求を行う事となるのです。


アデランス 
「約束がちがうではないか!違約金を払いなさい」


この裁判は最高裁判所で判決を仰ぐ事となりましたが、違約金の支払義務を否定する判決が下されています。


アデランス 
「特許を侵害していないか?一度、お客さんに成りすまして、アートネイチャーに乗り込もう」


そして・・・・


アデランスはアートネイチャーに対し、カツラピンでの製作を強く要望し、カツラを作らせようとしたのです。


アートネイチャーはしぶしぶお客さん(アデランス)の要望に応えるのです。この事実を持ち出して、アデランスは違約金の支払いを求めてきたのです。


最高裁判所
「故意に約束を破らせる行為に対しては、条件不成就とみなす」として、違約金は支払わなくてよいとされたのです。(平成6年の判例 民法第130条を適用)


この裁判!
判例集に掲載されるほど、インパクトの強い判例として存在しています。 (雑学研究家 安田 泰淳)


    







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