著者 安田泰淳(雑学研究家)



戦争に負けた日本!賠償金を支払わなかった理由とは?

戦争に負けると、賠償金などを支払わなければいけません。
第二次世界大戦で敗れたイタリアは賠償金を支払っているのにもかかわらず、どうして日本はサンフランシスコ講和条約の中で、賠償請求権を放棄する事ができたのでしょうか?


(日本が植民地にしたフィリピンなどには個別に支払っています)


これは色々な理由があるのですが、吉田茂の手腕が影響しているのではないか?と考えられています。


吉田さんは戦争に反対したことにより牢屋に入れられていました。しかし、戦争が終わると吉田さんの経歴に目をつけたGHQは彼を外務大臣、後に首相へと推し進める事となるのです。


ちなみに、GHQとは連合国軍最高司令官総司令部の事で、その多くはアメリカの職員で占められていました。


講和条約とは、世界の代表が集まり、戦争を終わらせるための会議の事です。主に賠償金などがテーマとなりますが、これを締結するまで日本に主権はありません。


吉田さんは考えました
「なんとか日本に有利な条件で講和条約を結びたい!そうしなければ、日本の将来は暗いものになるだろう」


というのも、戦争に勝った国々は日本を分割して各国が収めよう!とする計画が持ち上がっていました。北海道と東北はソ連が・・・ 関東から関西までがアメリカが・・・四国地方は中国が・・・ という具合です。


吉田さんはこの状態だけは避けたいと考えていました。
そこで、GHQの要求をなるべく受け入れることで、講和を上手く運びたいと考え、相手が提示する憲法の大部分を受け入れる事にしたのです。


すると、マッカーサーはこういうのです。(1947年)
「そろそろ、日本も独立していいよ!」


しかし、主導権を失いたくないソ連はこれを拒否し講和は遅れてしまいました。国民は落胆しましたが、吉田さんの考え方は違ったようです。


吉田さん
「世界の情勢は大きく変わっている。このまま中国やソ連などの共産圏の国々と、アメリカなどの対立が激しくなれば日本の価値が高くなる。日本は地形的に共産主義の防波堤となり、アジアに普及することを防ぐことになる!これはアメリカにとってメリットだ!


一方、日本の世論は東大助教授の丸山眞男さんが唱える「全ての国と講和を結ぶべきだ!」とする考えが大半を占めていた時期とも重なります。


全ての国と講和を結ぶか?それとも単独で講和を結ぶか?
吉田さんは将来の日本の発展を考えるためにはアメリカなどとの単独講和(多数講和)を結んだほうがメリットがあると考えるのです。


吉田さんの考え
アメリカ軍が日本に駐留してもらえば、アメリカにも日本にもメリットがある。尚且つ、恩を売る事ができ、有利な講和条件を引き出すことができるだろう。


吉田さん
「講和条約が締結されても、アメリカ軍を日本に駐留してもいいですよ!どうぞ共産主義勢力を押さえ込んでください。そのかわり、賠償請求権を放棄する講和条約でお願いしますね!」


吉田さんは、
ソ連とアメリカの対立が深まるタイミングを待っていたのです。


第一次世界大戦に負けたドイツは多額の賠償金を支払う羽目になり経済が大混乱します。これによりナチスが生まれ第二次世界大戦に発展しました。吉田さんもGHQもこういう状況は避けたいと考えていたそうです。


日本が経済大国に成長したのは賠償金の支払いを免れたためだといっても過言ではありません。しかし、日米安全保障条約を締結により、沖縄の人たちを苦しめている状態が現在でも続いている事に変わりはありません。 (雑学研究家、安田泰淳)


    








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